プロフィール
三栖右嗣氏(みすゆうじ)記念館は敷地内のシンボルツリーや新河岸川沿いの桜並木など、サクラとはなじみの深い美術館です。スタッフがブログを通じて、さまざまお知らせを提供し、さくらのように愛される美術館づくりをめざしています。
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スタッフブログ

ヤオコー川越美術館三栖右嗣記念館スタッフによるブログです。

‘日記’ カテゴリーのアーカイブ

三栖右嗣エッセイ 沖縄の海とサバニ


10年の沈黙を破った三栖右嗣は、精力的な制作を開始し、北海道シリーズ、リンゴ園シリーズ、海のシリーズなどの連作を世に問います。なかでも「海」は、画家が長年心に温めていたモチーフで、北海道や千葉、沖縄の海を取材し続けていました。

千葉の漁師の吉宗さんは、「かもめとキッツォ爺さん」のキッツォさんのモデルとして有名ですが、沖縄でもたくさんのご友人との交流が生まれたようです。

そんな折、1975年の沖縄海洋博記念「海を描く現代絵画コンクール」に、画家は100号の「海の家族」を出品し、4000点にのぼる応募作品の中から、見事、最高賞のグランプリを受賞したのは周知の通りです。

ところで、三栖右嗣は文章はあまり多く残していません。そんな数少ない中からエッセイ「沖縄の海とサバニ」をご紹介します。多少長めのエッセイですが、それだけに画家の温かいお人柄と、たくまざるユーモアを満喫して戴けることと思います。by平井

 

沖縄の海とサバニ

酒を酌み交わす親友S氏は沖縄宮古島の生まれである。彼の幼い頃、子供達はたまに海岸に流れつく椰子の実を拾い、その果汁を飲むのが楽しみだったという。

その頃は今の都会のように洒落れた菓子等が山とあふれていた時代とは違う。しかも南海の孤島のことだから甘いものといっても数少ない菓子類と畑の糖黍をかじるしかなかったのかもしれない。なにしろたまに夜のうちに一つ位流れつくものらしいから、早い者勝ちでよほど早起きしなければ誰かに拾われてしまうので、眠い目をこすりながら出かけたものだという。

彼の童顔と丸く太った体つきを見ていると、幼いころのまっ黒に陽焼けした丸顔に、つぶらな目で寝床からむっくり起き上がって出掛けていく彼の姿が手にとるように私の瞼に浮かんでくるのであった。

──白々と明ける海岸を丸くなって駆けて行く、遙か波打際の椰子の実を拾い上げると子供は珊瑚礁の鋭く尖った岩に打ちつけ、飲み口を作るとその甘い果汁を一口飲みホッと呼吸を吐くと、放心したように海の彼方をみつめる──。

そんな情景と"名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ"とあの「椰子の実」の歌がダブってくる。子供心にも日頃、齧じり馴れた糖黍の甘さと違った名も知らぬ遠い島の甘いロマンを小さな咽に感じていたのかも知れない。そしてその実は、長い波枕を重ねて表皮にタカツメ(現地の呼び名)の貝を寄生させてトゲトゲをいっぱいつけていたという。歌の椰子の実もそんな姿であったろうか──。したたかに酔った私はその椰子の実の果汁のように甘い感傷を味わっていた。

私のなかに沖縄の思慕が生まれはじめたのはそんなことがあってからのことであった。

初めて尋ねた沖縄で、私はサバニの魅力にといつかれてしまった。サバニは当地の漁舟で、1975年に開催された海洋博のポスター等で記憶にある人もあるであろう。舟尾は鋭角的な逆三角形で、舟底は殆んど無く舟首にかけて鋭く尖り、一見不安定と思われるが海を走れば外の舟に比べて安定度は高い。それに張りを持った魅力的なふくらみのあるカーブは、外のこの種の舟にはない。彼等の海の漁法に叶った機能の追及の結果なのだろう。

自然と漁師達との戦いの中から不要なものを全部削り去るまでの永年の間には、漁師達の尊い幾つかの命も奪われたことであろう。まさに形の追及の極と言うべきだろう。機能の極は美に通じるとはこのことなのであろうか。その小さい舟体を塩水から守るため鮫の油を塗り重ね、茶褐色に染めた精悍なこの木造舟はなんと美しい形であろう。

その後、何回かの沖縄行きも、風景を求めてというよりサバニに逢いに出かけて行くと言った方が当っている位であった。近ごろは少し大型になりエンジンをつけたり、化学塗料を塗ったりしてつまらないものも多くなったが、最も原始的なサバニを求めて島を尋ねるのが楽しみである。

昨年の夏、離島に渡って夜釣りの舟を頼んだ折、いいサバニに乗ることができた。漁師からサバニの話を聞きながら夜釣りを楽しんだ。ところが涼しかったせいか、途中で小用を足したくなってしまった。

私の体重は百キロを越す始末なので,漁師とS氏に舟の片方に寄ってバランスをとってもらい、用を足すことにしたが、舟はなにしろ鋭い逆三角形である。そり返って腰を突き出すと、彼らは精一杯ふん張ってバランスをとってくれるのだが、徐々に体重を前にかけてゆくと私の重みで舟端が海面すれすれになる。2対1でいい勝負なのである。少しのショックでも舟から飛び出して真っ黒な海に飛び込みそうである。

「こんなこっちゃ、絶対にひっくり返らんから大丈夫だよ」とかえってくる。その確信にみちた響きにすこし大胆になった私は、まことに不安定なへんな恰好で何とか用が足せ「ホッ」としたものだ。

二人に、その私のおかしな恰好と目方の重さをさんざん冷やかされたが、思わぬことで舟の安定性を体験できて、

「さすがサバニ!」と内心大いに満足であった。「利根の川風たもとにいれて......」と浪曲に唄われた利根川に、その川辺で繁っている笹で作ったような舟底の平らで浅い木舟が似合うように、苦しみも悲しみも緑色に溶かし込んでしまうような、あの底ぬけに明るい沖縄の海には、その自然のなかで生まれたあの黒々として精悍な風貌をしたサバニが、風景としてもやはりピッタリなのである。            三栖右嗣


お母さんいつもありがとう



5月13日は、母の日です
今年の母の日は
お母様と一緒にヤオコー川越美術館へいらっしゃいませんか?
思い出に残る すてきな母の日になることでしょう

現在 三栖画伯がお母様をモデルに描いた作品が3点展示中です
なかでも、安井賞を受賞した
「老いる」のエチュード(裸婦のお母さん)は
絵の素晴らしさに感動し 
ご自分のお母様を思い出し
思わず泣いてしまうお客様がいらっしゃる程 圧巻です
是非お母様とご一緒に鑑賞していただきたい作品です

明るいミュージアムカフェで 
大人気のおはぎとコーヒーはいかがですか?

ミュージアムショップでは
母の日のプレゼントに最適な図録やマグカップのラッピングも承ります

カーネーションのお花をお探しの方は
ヤオコー店舗内にある
お花コーナー「フラワー タイム」がお勧めです
お母様にぴったりのお花ギフトがきっと見つかりますよ
お母様の喜ぶ顔を想像して 素敵なプランを練って下さい

(ヤオコー新座店 フラワータイムの売場写真)

                                by小森


ミュージアム カフェ


こんにちは。
ただいまゴールデンウィーク真っ盛り。
お天気も回復し 皆様思い思いに休日を過ごされていらっしゃるでしょうか。

早いものでヤオコー川越美術館は オープンからもうすぐ2ヶ月が
経とうとしています。
たくさんのお客様のご来館に感謝しております。

今日はラウンジにある ミュージアム カフェのご案内をいたします。

お出ししているコーヒーは土壌作りからこだわった有機栽培のブレンドです。
深煎りでありながら酸味も感じます。
アイスコーヒーも同じく有機栽培のグァテマラを使用。
心をこめてお出ししています。是非 味わってみてくださいね。

使用しているカップ&ソーサーは
シンプルでモダン なめらかな曲線も美しいものです。

カフェだけのご来館も歓迎しております。
入館料はいただきません。

ラウンジに展示してある大作 <爛熳>を眺めつつ
窓の外の水の流れや ドアがあくたびに聞こえる鳥のさえずりに
耳を傾けながらゆったりとお過ごし下さい。

スタッフ一同 お待ちしております。

                        by わたなべ 


まむ君と美術館


フレンチブルドックの まむ君が
お散歩の途中 美術館に来ました。

飼い主様が 絵を鑑賞して カフェでお茶を楽しまれている間
お利口にミュージアムガーデンで休憩していましたね。

             
リードをつないだ、自転車置き場のポールは
受付からもカフェの窓からも よく見えるので安心でしたね。
今日のお散歩コースは
川越市立美術館の近くの「川越菓舗 道灌」で柏餅
ZAKKA&CAFE「ピース ピース」で
ワンちゃんグッズのお買い物をしてから いらしたそうです。
また 遊びにきてくださいね
お待ちしております
                      小森 記


<盛況感謝>


当美術館は3月11日に開館し、早くも40日以上が経過しました。
写実派の巨匠三栖右嗣氏の絵画と、世界的な建築家伊東豊雄氏の
建物を鑑賞される為に、
毎日予想を超える多くの来客者で賑わっています。
また桜の開花時には、目の前の新河岸川で盛大な桜祭りが実施され、
多くの花見客で賑わいました。
折りしもその桜祭りに出席された、
民主党の衆議院議員 小宮山泰子氏を会場で偶然おみかけし、
当美術館にご招待することができました。
氏のお話によると、
お父様が国会議員勤続25年で表彰された際、なんと三栖右嗣氏に
肖像画を描いて頂いたとのこと・・・。何たる偶然でしょうか。
小宮山議員が館内の三栖右嗣の作品を、
感慨深げに鑑賞されている姿が印象的でした。
その感想を、早速フェイスブックに投稿して頂きました。
ありがとうございました。
皆様方もぜひ当美術館にお出かけ下さい。
スタッフ一同心よりお待ちしております。

                   宇多村 記


4月25日は三栖先生の誕生日です


4月25日で、三栖右嗣生誕84周年になります。
私は昨年10月から、「三栖右嗣記念館」の開館に携わって
きましたが、残念ながら生前の三栖先生には、一度もお目
にかかっていません。
今後、三栖先生の奥様から、生前の先生のお人柄やエピソー
ドなどを、少しずつお聞きするのが楽しみです。
当美術館は3月11日の開館以来、三栖先生の力作に惹かれ
る多くの入館者で賑わっています。
先生は、「絵描きは作品がすべて。言葉はいらない」という
信念を持つ画家。自作や心情を記した言説を多く遺していま
せん。
花も、実も、海も、いのちあるものとしてとらえ、「生命
(いのち)」と云うテーマで作品を生涯描き続けた画家です。
                      宇多村 記


"美術館"を観る


こんにちは 平井です。

4月20日金曜日に大勢の若者が来館しました。
マイクロバスを仕立ててやって来たのは、吉松秀樹教授
が率いる、東海大学工学部建築学科の20名の学生さん
たちです。
当館は、世界的建築家伊東豊雄の設計になるもので、
三栖右嗣の絵画のみならず、建物を見るために、大勢の
方々がお見えになります。

敷地を囲む木立の内側には、遊歩道がめぐり、せせらぎ
を思わせる綺麗な水の流れがあります。
その水の上に巨大なホワイトキューブが...。

新河岸川の太鼓橋を渡ると目に入ってくる、その非現実
的な光景は、誰をもハッとさせます。
初めてその建物を見た時、私は斑鳩の里の中宮寺を連想
しました。

本当に不思議な雰囲気のある美術館です。
百聞は一見にしかずです。どうぞ一度お出かけ下さいね。


神社と美術館の不思議な関係?!


こんにちは、平井です。
美術館のついご近所の川越氷川神社では、毎月8日と第四土曜日の
8時8分から縁結びのご祈祷の、良縁祈願祭が行われます。
霊験あらたかで、つとに信仰を集めていますので、ご存知の方も
沢山いらっしゃると思います。
早朝のご祈祷のあと、美術館カフェでひと休みしていただけますよう、
祈願祭当日は美術館のオープンを8時45分にいたします。
氷川神社の御祭神は五柱の神様で、お名前を脚摩乳命(あしなづちの
みこと)、手摩乳命(てなづちのみこと)、素盞鳴尊(すさのおのみ
こと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむ
ちのみこと)と申されます。
脚摩乳命と手摩乳命はご夫婦の神様で、その娘が奇稲田姫命、その夫
が素盞鳴尊。そして大己貴命は縁結びで有名な、かの出雲大社の神様
です。
円満な二組のご夫婦と、出雲の神様ですから、良縁の願いが叶わない
はずがありませんね。

氷川神社にお参りされて、そのあと川越観光へ。
でも、ちょっとひと休みして、素晴らしい絵画と美味しいコーヒーも、
楽しまれてはいかがでしょうか。
4月28日(土)も午前8時45分からオープン致しますので、皆様の
ご来館をお待ちしております。


新河岸川 舟運のお知らせ


こんにちは,ひらいです。
美術館のすぐわきを流れる新河岸川も
やっと桜が咲き初めました。
毎年春になると苺ミルク色に染まった
川面に、船頭さんが棹差す小舟がでます。
先週の日曜日は舟はでましたが、桜はまだ開花
していませんでしたので、7,8日の土日に追加
の舟運があります。
時間は午後5時から8時までです。
夕闇に溶け込み、提灯のあかりに照らされる
花房もきっと見事ですよ。
当美術館は5時まで開館しています。最終
入館は4時30分です。
三栖右嗣の絵をご覧になったあと、風情ある
舟遊びを楽しまれてはいかがでしょう。
お待ちしております。


春爛熳


はじめまして。美術館スタッフの小森です。

今日は 春らしいお天気になりましたね。

美術館近くの桜も、徐々に花を開き始めてきましたが、
満開にはもう少し時間がかかりそうです。

当美術館では、一足先に「満開の桜」がご覧頂けます。

現在、桜に関連した作品が3点展示されており、中でも
ミュージアムカフェに展示されている大作「爛熳」は
カフェにいながらにして満開の桜をご体験いただく事が
できます。

伊東豊雄先生設計の落ち着いた美術館内で、ヤオコー

名物のおはぎを召し上がりながら、じっくりと「お花見」
をご堪能されてはいかがでしょうか?

皆様のご来館、スタッフ一同心よりお待ちしております。