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撮影:秋山庄太郎
協力:月刊美術 ヤオコー川越美術館がコレクションする作家三栖右嗣は、埼玉県比企郡ときがわ町にアトリエを構え、制作活動をおこなってきました。 現代リアリズムの巨匠といわれ、人気作家であった彼の作品は、単に写真のように対象を精緻に写し取るリアリズム絵画ではなく、彼の優しい視点が反映された人間味のあるものです。物を捉える並はずれた技術力と温かみのある描写の作品の数々は、何度でもその前に足を運び、対峙したくなる非常に質の高い、充実したコレクション群です。 爛熳
光る海
老いる(習作)
この作品は1976年に第19回安井賞を受賞した作品の習作です。 受賞作は東京国立近代美術館所蔵となっています。この作品について三栖右嗣は次のように語っています。 「他人にとっては汚いシワにしか見えないだろうが、私にとっては、一つ一つのシワが私が苦労をかけた想いにつながっている。シワの一筋一筋が私自身なのだ。」 後に「老いた母を写生している間中、涙が止まらなかった。」とも語っています。 |