こんにちは。
そろそろ関東地方も梅雨入りでしょうか?
美術館のお庭では今、クリスマスローズ、やまぼうし、キンシバイが咲いています。去年は小さかった紫陽花は今年増えてたくさん花が咲きそうです。
春、たくさんの花をつけたゆすら梅、果実を収穫しました。何を作ろうかスタッフで相談した結果 今年は簡単なシロップに挑戦です。どんな出来栄えかはお楽しみ。
美術館には実のなる木がまだまだあるので、ぜひ 散策してみて下さい。小鳥も何種類かやってきますよ。
御来館お待ちしております。 by わたなべ
「水墨画界の巨人」と云われ、中国人画家で日本在住の王子江(おう すこう)先生が5月12日(日)、当美術館にご来館されました。
約1時間 三栖右嗣先生の絵画をご鑑賞され「一つひとつの絵に画家の意思が込められていますね」と称賛されました。その後伊東豊雄先生設計の建物にも感動されておりました。お話を伺った先生の印象は、謙虚で優しさに満ちた素晴らしいお人柄でした。 (写真中央が王先生)
先生は常々「私は、各地で写し取った人々の心を 進化し続ける水墨画の世界の中に表現していきたいと思います。そして、それは確実に次世代に繋がっていくことでしょう」とおっしゃっています。ご来館記念の色紙にも気軽に応じていただき、素晴らしいお言葉をいただきました。
水墨画界の第一人者として、これからもご多忙とは思いますが、健康に留意されてご活躍をお祈りしています。王子江先生、ありがとうございました。
by マネージャー宇多村
5月11日(土) 日本大学 短期大学部 建築学科94名の皆様が、吉野泰子教授の引率で、大型バス2台に分乗し来館されました。
当日は生憎の雨模様でしたが、若い学生さん達が「プリツカー建築賞」受賞 伊東豊雄先生設計の建物と 三栖右嗣先生の絵画を約1時間熱心に鑑賞し、次の「川越蔵造りの町並み」に向けて移動されました。
日本大学建築学科の皆様、ご来館ありがとうございました。 by マネージャー宇多村
おととし、北の国からこの川越に渡ってきたとき、下界に大きな白いキューブが見えた。「何かな?」と思ったけど、すぐ忘れてしまった。
去年来た時にも、「何だろうな?」と思ったけど、新河岸川の鯉君や、氷川神社の鳩さんたちに挨拶したり、ねぐらを整えたりしているうちに、忘れてしまった。
年を越し、桜の季節も終わり、やれやれやっと静かになるぞと思っていたら、相変わらず人波が、氷川橋を渡って行く。花見客も終わったはずなのに、はてなと、人の行く手を見ると、みなあのキューブ型の建物に入っていく。そうそう、あのキューブだ。いったい何だろうな。
飛んでいって屋根にとまり、下をのぞいた。キレイな水をたたえた池が、ぐるりを取り巻いている。誘惑にたえきれず、池に入って泳いでみた。気持ちいいぞぉー。ふと見るとカラス君が、ぴょんぴょんと横っ飛びステップを踏みながらやってきた。挨拶をすると、頭をツンとそらして顎を上げた。きっと返事をしてくれたんだろう。あれ、せきれい君もきた。
「やあ、鴨君。こんちは。その水、気持ちいいだろう。地下水をくみ上げているんだよ。もう少しすると、ヤゴやオタマジャクシが出てくるよ。君、そいつら好き?え、水ゴケしか食べない?そっか、ベジタリアンなんだね。じゃあさ、ここって美術館なんだけど、そのうち、ここんちの庭に、ゆすらうめとか、ジューンベリーとか、グミとか、やまももが成るよ」と、親切に教えてくれる。
「やあ、カラスくん、こんちは。今日はなにを漁ってきたんだい?またソーセージかい?」今度はカラス君に向き直って話しかけている。カラス君は、知らん顔をしてソッポを向いている。でも目は笑ってるぞ。友だちなのかな。
「ここんとこ、お客さんが多いからね。君、ギャアギャア啼いて、美術館のお姉さんたちを困らせちゃだめだよ」 カラス君は、くるりと背を向けて、向こうへ行ってしまう。せきれい君は、無視されても、ぜ~んぜん気を悪くする様子もない。追いかけて行って話しかける。
「こないだなんかさ、屋根にとまって、アホー、アホー ってやっただろう。ああいうの、やめなよ。迷惑だよ」 カラス君、今度はいやぁな顔をしている。
「それからさぁ...」
ああ、飛んで行ってしまった。 「アホー」 振り返って、ニヤリと笑った。池に残され、せきれい君はしょんぼりしている。
僕もそろそろ帰ろう。帰って、この愉快な隣人たちのことを、妻に話してやろう。by鴨