プロフィール
三栖右嗣氏(みすゆうじ)記念館は敷地内のシンボルツリーや新河岸川沿いの桜並木など、サクラとはなじみの深い美術館です。スタッフがブログを通じて、さまざまお知らせを提供し、さくらのように愛される美術館づくりをめざしています。
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スタッフブログ

ヤオコー川越美術館三栖右嗣記念館スタッフによるブログです。

‘日記’ カテゴリーのアーカイブ

ナガールの花束 パート4


282afb28d2624423b8ac8a8aecc11d431-300x162.jpgブログの読者の皆さま、こんにちは。「次回はナガールでの三栖先生の取材の様子をお伝えします」と予告してから、ずいぶんたってしまいました。申し訳ございません。

さて、この超大作800号の「ナガールの花束」が発表されたのは、1985年。新宿の当時の伊勢丹美術館で開かれた「昨日・今日そして明日展」でのことでした。この展覧会について、美術評論家の村瀬雅夫先生が論評されています。当ブログに全文掲載することをご了承いただきましたので、ご紹介します。村瀬先生はご存知の方も沢山いらっしゃると思いますが、読売新聞美術欄を長く担当され、その後福井県立美術館長、渋谷区立松濤美術館長を務められました。三栖先生とは、公私ともに長い交友をむすばれ、その美術評は、深く三栖作品に切り込んでいます。

たくましく清冽  三栖右嗣展

 絵画のたのしみ、素晴らしさを十二分に堪能させる──「昨日・今日そして明日─三栖右嗣展」は、ひさびさに近年まれなそうした充実感を与える。 空気まで真っ赤に染めて咲き乱れるケシ、陽光に輝くコスモス、水辺にゆったり咲き誇るボタン、人生の未来へ夢を宿す少年や少女の肖像、柔肌のみずみずしさがにおい立つ若い女性像や裸婦、厳かな老い、歴史の中に横たわるスペインの古い町並み、雄大な空の下の耕地──恐らくいつの世にも変わらぬありふれた日常の平凡な情景をかりて、画家はこの世に生を受け在るものたちの喜びの思いをつづる。優しいものも、雄々しきものも、可憐なものも、もろもろのものたちはこの世にたのしみを身いっぱいに受け、健やかであれ──画家の見事な筆技は、豊かな生命の流れをこまやかにすくいあげ、たたえ、目を喜ばせてこの世の素晴らしさに誘うようである。心たのしませる卓越した技量の背後には、たじろがず敢然と善きものを守りはぐくむ画人の意思の堅固さと偉大さもどっしりと巨人のように控えているようである。十年前の「海を描く現代絵画コンクール展」とその翌年の安井賞展に相次いで大賞を取り、五十歳に近く遅い画壇の人気を得て後も、画家は同じ作風を一心に磨き鍛え続けている。その十年の歩みも展望するこんどの個展には、現代でははやらない修練をうまず続ける画家の、ゆるがぬ信念や主張もひときわ明瞭になっている。その作品のひとつは、大作「ナガールの花束」だ。雪山に連なるパミール高原に生きる子供たちと花々が、まだ美しい地球の生を謳歌する。日本油彩画にかつてない群像人物表現は、おそらく現代屈指の水準だろう。展覧会の前日、会場に運びこまれた大作を壁に立て、画家はぬれタオルを頭に載せ、雪山に悠然と筆を加えていた。すでに円熟の境地に至っている画風は古今の巨匠の手から生まれる作品がもつおおらかな気品も備える。現代日本にこうした画家が生まれ、その作品を楽しめるのは同時代の大いなる幸せではあるまいか。

会場でも濡れタオルを頭になお加筆されている三栖先生の様子が目に浮かぶようですが、奥様にうかがったところでは、アトリエから絵を出す際にも、運搬の人々がアトリエに入るぎりぎりまで筆を持っておられたようで、油絵具の乾かぬ状態での運送は、きっと大変だったでしょうね。

ナガールに取材したこの年(詳しい年数は不明)は、イスラエル、パキスタン、スペインと三つの海外旅行を強行されたそうです。旅慣れた三栖先生は、秘境であるパキスタンのフンザ行に際しても、「僕はカレーが大好物だし、食べ物に関しては何の心配もない」と自信満々でいらしたようですが、日本のカレーと違ってかの地のそれは匂いがきつく、出される食物すべてまったく口にできず閉口されたそうです。「本当に弱り切っていましたよ」とは同行された奥様の弁です。

フンザからナガールに抜けるには、深い渓谷をのぞむ斜面に切り開かれた隘路を、小型の中古のジープで進むのだそうです。片側はそり返るような急斜面、反対側を見下ろせば千尋の谷です。(どんなに恐ろしい道中だったかは、同じ道を通った宮本輝著「ひとたびはポプラに臥す」文庫本の第六巻72頁からをお読みください。私はこのブログを書き始めてから偶然この本を読んでいて、82頁に突然「そこはナガールという村で」というくだりに出会い、びっくり仰天してしまいました)

三栖先生は恐れ気もなく、悠然と巨体を狭いジープの座席に沈めていらしたそうです。遥か谷底の川面の青いきらめきや、カーブを切るごとにあらわれる白い峰々を、画家の目で観察していらしたせいかもしれません。到着したナガールで、先生はひときわ人々の目を引いたに違いありません。好奇心に溢れた少年たちが遠巻きにし、やがてその眼差しに引き寄せられるようにして近寄ってくる......そんな光景があったでしょう。少年たちはこの巨きな人物が画家であることを知ると、花を摘んでは持って来てくれたそうです。そして、一人ずつ、嬉々として自分が描かれる順番を待ったのでしょう。

800号の「ナガールの花束」には、20人の少年が描かれていますが、20人が一斉に並んだのではなく、過去の「海の家族」での人物構成にみられるように、土地をたがえ、時を隔てて取材してきた人々を、一枚の画布の上に再構成する、という手法で描かれたものです。  いつの日かこの大作をこの美術館で展示できるといいのですが...。

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 byひらい 三栖先生の写真撮影は、カメラマンの高尾晴一氏です。


ミニコンサートは大盛況でした ♪


11月10日 夕暮れの中♪桜坂♪の優しいメロディが館内にゆったりと響き渡り ピアノコンサートがはじまりました。

ラウンジの「爛熳」といっしょに音楽会を開きたかったとおっしゃったミュージシャンのシモヤマエイジさん。

今日の楽曲のひとつや音符のひとつをおもいだしてほしい。花のような空気のような音楽を作りたいと思った。それは聴いた人を美しくするから・ ・ ・と。

本当にそうでした。

皆様 素敵な笑顔で帰っていかれました。

 

コンサートが終わりに近づく頃、 ラウンジ内はすっかり暗くなり[爛熳」とシモヤマエイジさんだけがライトで浮かび上がり とても美しかったです。

                                                             by わたなべ

 

 

 


気分はクリスマス!!


美術館がオープンして8ヶ月がたちました。
たくさんのお客様にご来館いただきました。ありがとうございます。

来月は早いものでもうクリスマスです。
一足早く 美術館にクリスマスツリーを飾りました。
三栖右嗣先生の絵画と伊東豊雄先生の建物 そしてはじめてのクリスマスツリーをご覧になってください。

スタッフ一同 お待ちしております。
                     by わたなべ


ハンサムなお客様


11月4日 とてもお天気の良い午前中・・・。
映画に出てくるようなハンサムな車が美術館のパーキングに入ってきました。
マネージャーのご友人でした。
あまりにも素敵だったので 美術館をバックにお写真を撮らせていただきました。
・・・Casaブルータスのように上手くは撮れませんでしたが・・・。

彼の名前は モーガンのロードスター2011年製 手作りで一点物だそうです。 
                   by わたなべ
photo hirai


「三栖右嗣リトグラフ展示室」が、ゆかりのときがわ町に


三栖右嗣は1982年(S57)に、埼玉県比企郡玉川村に移り住みました。
現在のときがわ町です。1300年の木材加工の歴史をもち、きのこ山菜
など山の幸にめぐまれ、透き通った温泉も湧くこの地に、三栖右嗣は55
歳から82歳で没するまで、暮らしました。
画題を求めて、花かごを手にゆったりと野を行く姿は、悠揚迫らぬものが
ありました。

さて、そのときがわ町に、紅梅図や林檎シリーズなどの素晴らしいリト
グラフ作品の展示室があります。

詳しくは下記のときがわ町のホームページをご覧ください。
/forms/info/info.aspx?info_id=13469

また路線バスの紹介もそえておきます。
/forms/info/info.aspx?info_id=18689

毎年6月には花菖蒲祭りもひらかれます。是非一度お出かけください。

                             by 平井


曼珠沙華の花(まんじゅしゃげ)


美術館の前を流れる新河岸川の土手に
曼珠沙華の花が咲きそろいました
偶然にも
川沿いの桜並木の桜と              その下に群生している曼珠沙華は
開花時期には葉がなく 葉がある時には花がない植物です
中国から伝わった1株の球根から
日本各地に株分けの形で広まったそうです
土に穴を掘る小動物を避けるために
有毒な鱗茎を
あえて有用植物として持ち込み
畦や土手に植えたと考えられています
異名に幽霊花などがあり
不吉で嫌がられることもありますが
そんなイメージをぱっとくつがえしてくれたのは
1978年に山口百恵がリリースしたアルバムのタイトルが
「曼沙珠華」
シングルの「美・サイレント」のB面にも収録されています

今週末は是非 絵画と建物と曼珠沙華を楽しみに
美術館にいらしてください
 
あなたの街の情報誌「らいふあっぷ」の記事によると
日高市 巾着田の赤いジュータンを敷き詰めたように咲く曼珠沙華の光景は圧巻で
ただいま満開だそうです
                    by小森


クラシックギターコンサート


2012/9/9 ミュージアムカフェにて 
第二回ミニコンサートを開催しました
ギタリストの寺山 有一氏となみき きょうこ氏
お二人の素敵な演奏と
しっとりとしたトークに心が癒されました
第三回ミニコンサートを11月に予定しています
詳細が決まりましたら ブログでお知らせします
お楽しみに


ナガールの花束 パート3


 今ならナガールを「あぁ、あのフンザのカリマバードの対岸の村だね」とお分かりになる方も多いようですが、三栖先生が取材にいらした27~8年前は、まだまだ大変な秘境だったようですね。
 私は今年の春、ナガールと聞いて「ダカールなら知ってるけど、ナガールっていったい何処?」という状態でした。そんな私のような読者の方も すこしは いらっしゃると思いますので、まずナガールの場所と歴史からご案内いたします。

 住居表示風に言いますと、パキスタン・北部地域・ナガールでしょうか。ちなみに北部地域というのは、パキスタンの4つの州とは別の、少数民族が暮らす特別区である行政区域だそうです。フンザは、パキスタン・北部地域・フンザです。

 昔から、フンザ藩王国とナガール藩王国は戦争を繰り返していましたが、19世紀も終わり頃になって、侵攻してきた英国軍に対抗するため、両国は手を結んだようです。

 ナガール藩王国は1970年に、フンザ藩王国は1974年にパキスタン連邦政府の管轄下に入ったといいますから、本当についこのあいだまで、王様のいらっしゃる国だったのですね。

 テレビの紀行番組などで、フンザばかりが取り上げられるのは、カラコルムハイウェイを通す話が持ち上がった際に、生活の利便性をとったフンザの王様は賛成し、民族固有の文化が破壊されることを懸念したナガールの王様は反対したので、ハイウェイは結局フンザ側を通り、フンザだけが有名になっていったそうです。

 

 東西を結ぶシルクロード、絹の道。東の文化と西の文化が、この道を行き交いました。後世に名を残した人もそうでない人も、気の遠くなるほど多くの人が、富や知識や名誉を求めて、死と道連れの旅をしました。

 シルクロードは大きく分けると3本あるそうです。最も一般的なのはオアシス路。いまの中国の西安を基点として、西に進んで、天水、蘭州、武威、張掖、酒泉、嘉峪関、安西、敦煌、柳園、ハミ、トルファン、コルラ、クチャ、アクス、カシュガル、タシュクルガン、フンザ あぁやっとフンザが出てきました。西安を出てから6000キロ以上、実に長い旅路です。

 タシュクルガンからフンザへぬけるには、標高約5000メートルのクンジュラーブ峠を越えなければなりません。日本の富士山は3700メートル台、それでも高山病にかかる人もいるというのに、峠でさえ5000メートル。パキスタンの北部地域の人々は、7000メートル以下の山々には名前もつけないそうです。なにしろごろごろあるのですから。

 ナガールとはそんな高地にある国なのです。

 さて、長くなりました。三栖先生がこの地を訪れ、どんな取材をなさったのかは、次回にお伝えいたします。
 最後に、800号のナガールの花束の少年は、何人いるでしょうか。恐らく、19人とのお答えが一番多いと思いますが、正解は20人です。上の列の左から3人目の少年の胸のあたりから、横顔だけを出している少年が一人いるのです。

 では......。                         by平井


美術館でもみじ狩り


しっとりと深まりゆく 秋の情景が描かれた      黄昏色と紅葉を織り紡いだ色合いの2枚の作品が 展示中です
眩しいほどに鮮やかな黄金色に色づいたもみじの絵「錦秋洛北」
燃ゆるほどに艶やかな緋色に色づいたもみじの絵「秋日」
ふたつの作品の美しい色のコントラストも       お楽しみいただきながら
美術館で『もみじ狩り』はいかがでしょうか
温かなこもれびが 秋風にゆれて煌めき
うっとりとする作品です
展示室にある まるい大きなソファーに腰かけて
どうぞ ゆっくりとご鑑賞ください

                  BY 小森


涼しい美術館で夏のおしゃれ


8月18日は 『川越きものの日』です
ヤオコー川越美術館では きものの日に
お着物 浴衣をお召しになって
ご入館されるお客様に
お好きな 三栖右嗣オリジナル 絵葉書(小)を
1枚差し上げています
涼しい美術館で 夏のおしゃれを楽しまれては
いかがでしょうか

ミュージアムカフェでは
ゆっくりと お茶を楽しみながら
お選びになった絵葉書に
残暑御見舞いを書いたり・・・
夏の素敵なひと時をおすごし下さい

             by小森