ナガールの花束 パート2
前回予告いたしました、ナガールの花束のつづきです。
或る、朝から良く晴れた日、ヤオコー川越美術館の三人で、「ナガール」に会いに出かけました。
学校の事務室をお訪ねすると、部屋の奥から事務次長さんがニコニコと出ていらして、恐縮する私たちをご案内くださいました。
長い廊下をめぐり、不意に、天井の高い明るい空間に出たと思ったら、そこがラウンジでした。
ナガールはその広い空間の、窓とは反対側の、高い壁の天井近いところに飾られていました。
碧い空に白い峰がささり、その手前に子供たちが思い思いに散らばっています。
私たちは三人揃って、ため息とも吐息ともつかぬ声を上げながら、ナガールに見入ってしまいました。
友を見つめ、天を指さし、笑い崩れ、目をそらし、はにかみ、花をかざし、ひとかたまりになり、ちらりと横顔だけを覗かせ、黒い髪、赤い髪、金色の髪、浅黒い肌、白い肌の少年たちが、饒舌にさんざめきながら、そこにいました。
30年近い昔、三栖右嗣の手で、永遠のいのちを得た少年たちです。
脚立もライトもない状態で撮った写真ですので、あまりきれいではありません。でも今は、この絵の雰囲気だけでもお届けできたらと思い掲載しました。
ところで、この絵の中には何人の少年がいるでしょうか。
ナガールについては、これから、シリーズでお届けしますので、答は次回までに考えておいてくださいね。by 平井