Project Story プロジェクトストーリー

「ポキ丼」開発担当バイヤーのこだわり。私たちが、新しい食文化の仕掛け人になる

商品を通して食文化を創り出す、デリカ事業部寿司担当バイヤーの仕事。

Member メンバープロフィール

  • N.A. さん

    デリカ・生鮮センター
    (2023年3月時点の所属部署)

2021年に登場して以来、店頭に並べばたちまち売れるとウワサの人気商品があります。寿司コーナーで、ビビットな色使いのパッケージが目を引くその商品は、「やみつきポキ丼」。

今回は、寿司部バイヤーとしてポキ丼の商品開発を担当したN.A.さん(2011年新卒入社 ※現在はデリカ・生鮮センターにて米飯開発を担当)にインタビュー。ポキ丼の開発エピソードや、バイヤーの仕事のやりがいについて聞きました。

Chapter 01 何百回もの試食を重ねて生まれた人気商品

――ヤオコーの「バイヤー」は、どんな仕事を担当しているのでしょうか?

大きく分けて、「仕入担当」と、「商品開発」の2つの仕事があります。仕入担当は、店舗で取り扱う商品について、メーカーさんや卸売業者さんと条件交渉を行う仕事。商品開発では、PB商品や店舗で調理されるお惣菜等の開発を行なっています。私は2019年から3年半、寿司部のバイヤーとして、海鮮ちらしや手まり寿司、炊き込みご飯、おにぎりなどの商品開発に携わってきました。

――人気商品の「やみつきポキ丼」も、Nさんが開発を担当したそうですね。

ポキ丼は、私が担当してきたなかでも思い入れがある商品ですね。大学生時代にハワイでポキを食べて「おいしい!」と感じたことがきっかけで、バイヤーになってからずっと商品化したいと思っていました。ポキとは、魚介の切り身と野菜を調味料で和えたハワイ料理のこと。ポキ丼は、ハワイ風海鮮丼を意味します。私がバイヤーになった頃はポキという言葉が今ほど日本で知られていなかったのもあって、なかなか開発に踏み切ることができなかったのですが、その後開発のチャンスが巡ってきて、半年ほどかけて原料や味付けなどを検討していきました。

――ポキ丼の特徴や、こだわったポイントを教えてください!

ポイントになっているのは、独自開発のタレです。メーカーさん協力のもと、ヤオコーのポキ丼のためにオリジナルのタレを作りました。口に入れた瞬間においしさを感じてもらえるよう、ごま油やガーリックの風味を効かせ、食欲が増す味わいに仕上げています。タレの配合については完成までにかなり苦労があって、0.1ミリグラム単位で調味料の量を調整しながら、何百回も試作・試食を繰り返しました。

――メインのお刺身も、サーモン、まぐろ、えび、小柱が入っていて、彩り豊かです。刻みタマネギの風味や食感も楽しく、温泉卵を崩すことで味変もできる……。これらを店内調理で仕上げているとのことで、かなり手間がかかっていそうですね。

これまでに調理工程は何度も調整を重ねてきましたが、店舗からは、「作るのが大変」という声をよくもらっています……(笑)。さらに最近では原料高騰の問題もあり、現時点でポキ丼を毎日店頭に並べることはなかなか難しく、月に数回、日にちを絞った販売となっています。それでも、お客さまから「ポキ丼を買える日が楽しみ」といったお褒めの言葉をいただいたり、店舗側からは「出せば売れる商品」と認識してもらっていることから、なんとか今の形で販売しています。今後はさらに販売機会を増やしていけるよう、今は原料の仕入方法などを工夫しているところです。

――ビビットな色使いのパッケージや、ヤオコーのほかのお弁当とは雰囲気の異なる箱も特徴的ですが、見た目の面でもこだわりがあるのでしょうか?

どこから見ても「ポキ丼を売っている」とわかるようなパッケージを目指して、デザインを決めました。寿司売り場や惣菜売り場では、透明フタの容器で中身を見せるスタイルが基本のため、中が見えない容器を使うことはかなりのチャレンジでもありました。結果的に、見た目の新しさや、ビビットなピンク色を使った掛け紙のインパクトで、お客さまの目に留まるひとつのきっかけを作れたと感じています。中が見えない容器を使用することで食品に光が当たるのを防ぎ、鮮度が落ちにくくなるといった副次的なメリットもありました。

Chapter 02 ヤオコーのバイヤーが、新たな食文化を創り出す

――Nさんが感じる、バイヤーの仕事のやりがいは何ですか?

商品を通して食文化を創り出せることが、バイヤーの仕事の醍醐味だと感じています。ポキ丼もそうですが、ヤオコーが販売を開始した商品を競合他社さんが真似してくださることがあり、その際は新たな市場が生まれたことを実感できるんです。世の中には、顕在化している市場と潜在化している市場があるため、バイヤーとしてどこに手を出すかかなり難しい判断が必要になることもあります。それでも、結果的にうまく潜在化しているニーズを掘り起こし、新たな市場を開拓できた時は、大きなよろこびを味わうことができます。

目の付けどころによっては、失われかけている伝統的な食文化や、季節の行事を取り戻すことだってできるかもしれません。これは、幅広いお客さまに日常的にご利用いただく「食生活提案型スーパーマーケット」だからこそできることだと考えています。

――これからさらに、ヤオコーのオリジナル商品にはどんなことが求められていくと思いますか?

最近では、レシピサイトやSNSなどが普及し、誰でも簡単に、おいしい料理を作れる時代になりました。各ご家庭で作れる料理のレベルが、かなり上がってきていると感じます。だからこそ、「ヤオコーだから食べられる味」を楽しんでいただけるよう、オリジナリティあふれる商品を増やしていく必要があると考えています。

現在、ヤオコーには自社工場の「デリカ・生鮮センター」もあるので、高い品質のものを値ごろな価格で届けられる自社工場発商品と、作りたてのおいしさを楽しんでいただける店内調理商品の両方の良さを活かしながら、より一層豊かな食文化づくりに貢献していければうれしいです。

――最後に、ヤオコーへの就職・転職を考えている人に向けて、メッセージをお願いします!

バイヤーの仕事では、「向上心」と、「何でも楽しめる姿勢」が大切です。市場の状況を把握し、これから発掘するべき食文化を見極めるためにも、料理や食べ歩きなど、日ごろから何に対しても興味を持ち、楽しんで接することができる人に、ぜひ商品開発に携わってもらえたら心強いです。