プロフィール
三栖右嗣氏(みすゆうじ)記念館は敷地内のシンボルツリーや新河岸川沿いの桜並木など、サクラとはなじみの深い美術館です。スタッフがブログを通じて、さまざまお知らせを提供し、さくらのように愛される美術館づくりをめざしています。
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スタッフブログ

ヤオコー川越美術館三栖右嗣記念館スタッフによるブログです。

2012年5月 のアーカイブ

書籍販売のお知らせ


ミュージアムショップにて、当館を設計された伊東豊雄先生関連の書籍を販売しております。

まず、「伊東豊雄読本ー2010」

伊東先生のパーソナル・プロフィールからはじまり、「台中メトロポリタン オペラハウスのこと」「座・高円寺のこと」......「三栖右嗣記念館のこと」と、先生の作品が語られていきます。しかも、先生とインタビュアーの対話形式で話が進みますので、ご自身の心のゆらぎまでを率直に語る先生の生のことばで、伊東建築の真髄に迫ることができます。

全ての学芸を統括するのが哲学であるとするなら、まさに伊東哲学のエッセンスです。哲学であればこそ、建築の専門家のみならず、私のような門外漢であっても、読みやすく、分かりやすく、エピソード満載で、とことん楽しむことができます。これで2730円は、とてもお得感があります。

つづいて、A.D.A EDITA Tokyo 奇数月刊行の建築専門誌「GA Japan」の113号と116号。

113号では、三栖右嗣記念館の敷地選びからはじまる設計のプロセスが詳解され、116号では、完成なった美術館が、三栖絵画やミュージアムグッズが展示された状態での、美しい写真11枚で紹介されています。こちらは各2450円です。

3冊とも、第2展示室のソファに見本がございますので、ご来館の折は、どうぞお手にとってごらんください。

 


三栖右嗣エッセイ 沖縄の海とサバニ


10年の沈黙を破った三栖右嗣は、精力的な制作を開始し、北海道シリーズ、リンゴ園シリーズ、海のシリーズなどの連作を世に問います。なかでも「海」は、画家が長年心に温めていたモチーフで、北海道や千葉、沖縄の海を取材し続けていました。

千葉の漁師の吉宗さんは、「かもめとキッツォ爺さん」のキッツォさんのモデルとして有名ですが、沖縄でもたくさんのご友人との交流が生まれたようです。

そんな折、1975年の沖縄海洋博記念「海を描く現代絵画コンクール」に、画家は100号の「海の家族」を出品し、4000点にのぼる応募作品の中から、見事、最高賞のグランプリを受賞したのは周知の通りです。

ところで、三栖右嗣は文章はあまり多く残していません。そんな数少ない中からエッセイ「沖縄の海とサバニ」をご紹介します。多少長めのエッセイですが、それだけに画家の温かいお人柄と、たくまざるユーモアを満喫して戴けることと思います。by平井

 

沖縄の海とサバニ

酒を酌み交わす親友S氏は沖縄宮古島の生まれである。彼の幼い頃、子供達はたまに海岸に流れつく椰子の実を拾い、その果汁を飲むのが楽しみだったという。

その頃は今の都会のように洒落れた菓子等が山とあふれていた時代とは違う。しかも南海の孤島のことだから甘いものといっても数少ない菓子類と畑の糖黍をかじるしかなかったのかもしれない。なにしろたまに夜のうちに一つ位流れつくものらしいから、早い者勝ちでよほど早起きしなければ誰かに拾われてしまうので、眠い目をこすりながら出かけたものだという。

彼の童顔と丸く太った体つきを見ていると、幼いころのまっ黒に陽焼けした丸顔に、つぶらな目で寝床からむっくり起き上がって出掛けていく彼の姿が手にとるように私の瞼に浮かんでくるのであった。

──白々と明ける海岸を丸くなって駆けて行く、遙か波打際の椰子の実を拾い上げると子供は珊瑚礁の鋭く尖った岩に打ちつけ、飲み口を作るとその甘い果汁を一口飲みホッと呼吸を吐くと、放心したように海の彼方をみつめる──。

そんな情景と"名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ"とあの「椰子の実」の歌がダブってくる。子供心にも日頃、齧じり馴れた糖黍の甘さと違った名も知らぬ遠い島の甘いロマンを小さな咽に感じていたのかも知れない。そしてその実は、長い波枕を重ねて表皮にタカツメ(現地の呼び名)の貝を寄生させてトゲトゲをいっぱいつけていたという。歌の椰子の実もそんな姿であったろうか──。したたかに酔った私はその椰子の実の果汁のように甘い感傷を味わっていた。

私のなかに沖縄の思慕が生まれはじめたのはそんなことがあってからのことであった。

初めて尋ねた沖縄で、私はサバニの魅力にといつかれてしまった。サバニは当地の漁舟で、1975年に開催された海洋博のポスター等で記憶にある人もあるであろう。舟尾は鋭角的な逆三角形で、舟底は殆んど無く舟首にかけて鋭く尖り、一見不安定と思われるが海を走れば外の舟に比べて安定度は高い。それに張りを持った魅力的なふくらみのあるカーブは、外のこの種の舟にはない。彼等の海の漁法に叶った機能の追及の結果なのだろう。

自然と漁師達との戦いの中から不要なものを全部削り去るまでの永年の間には、漁師達の尊い幾つかの命も奪われたことであろう。まさに形の追及の極と言うべきだろう。機能の極は美に通じるとはこのことなのであろうか。その小さい舟体を塩水から守るため鮫の油を塗り重ね、茶褐色に染めた精悍なこの木造舟はなんと美しい形であろう。

その後、何回かの沖縄行きも、風景を求めてというよりサバニに逢いに出かけて行くと言った方が当っている位であった。近ごろは少し大型になりエンジンをつけたり、化学塗料を塗ったりしてつまらないものも多くなったが、最も原始的なサバニを求めて島を尋ねるのが楽しみである。

昨年の夏、離島に渡って夜釣りの舟を頼んだ折、いいサバニに乗ることができた。漁師からサバニの話を聞きながら夜釣りを楽しんだ。ところが涼しかったせいか、途中で小用を足したくなってしまった。

私の体重は百キロを越す始末なので,漁師とS氏に舟の片方に寄ってバランスをとってもらい、用を足すことにしたが、舟はなにしろ鋭い逆三角形である。そり返って腰を突き出すと、彼らは精一杯ふん張ってバランスをとってくれるのだが、徐々に体重を前にかけてゆくと私の重みで舟端が海面すれすれになる。2対1でいい勝負なのである。少しのショックでも舟から飛び出して真っ黒な海に飛び込みそうである。

「こんなこっちゃ、絶対にひっくり返らんから大丈夫だよ」とかえってくる。その確信にみちた響きにすこし大胆になった私は、まことに不安定なへんな恰好で何とか用が足せ「ホッ」としたものだ。

二人に、その私のおかしな恰好と目方の重さをさんざん冷やかされたが、思わぬことで舟の安定性を体験できて、

「さすがサバニ!」と内心大いに満足であった。「利根の川風たもとにいれて......」と浪曲に唄われた利根川に、その川辺で繁っている笹で作ったような舟底の平らで浅い木舟が似合うように、苦しみも悲しみも緑色に溶かし込んでしまうような、あの底ぬけに明るい沖縄の海には、その自然のなかで生まれたあの黒々として精悍な風貌をしたサバニが、風景としてもやはりピッタリなのである。            三栖右嗣


お母さんいつもありがとう



5月13日は、母の日です
今年の母の日は
お母様と一緒にヤオコー川越美術館へいらっしゃいませんか?
思い出に残る すてきな母の日になることでしょう

現在 三栖画伯がお母様をモデルに描いた作品が3点展示中です
なかでも、安井賞を受賞した
「老いる」のエチュード(裸婦のお母さん)は
絵の素晴らしさに感動し 
ご自分のお母様を思い出し
思わず泣いてしまうお客様がいらっしゃる程 圧巻です
是非お母様とご一緒に鑑賞していただきたい作品です

明るいミュージアムカフェで 
大人気のおはぎとコーヒーはいかがですか?

ミュージアムショップでは
母の日のプレゼントに最適な図録やマグカップのラッピングも承ります

カーネーションのお花をお探しの方は
ヤオコー店舗内にある
お花コーナー「フラワー タイム」がお勧めです
お母様にぴったりのお花ギフトがきっと見つかりますよ
お母様の喜ぶ顔を想像して 素敵なプランを練って下さい

(ヤオコー新座店 フラワータイムの売場写真)

                                by小森


川越きものの日のご案内


川越を着物のにあう街にしようと、毎月18日を川越きものの日とし,
着物で川越を訪れたお客様に、様々な特典をご用意しております。
ヤオコー川越美術館でも、着物をお召しになって、展示室にご入館下
さいましたお客様に、当館オリジナル「三栖右嗣の絵葉書」を一枚、
プレゼントいたします。

5月18日金曜日には、粋な着物姿で、蔵の町並みや、新緑まぶしい
美術館周辺をそぞろ歩きしてみませんか!!

下記「きものの日」のホームページもご覧ください。

http://www.koedo.or.jp/pg295.html


良縁祈願祭日、美術館早朝オープンのお知らせ


お馴染みとなりました、氷川神社良縁祈願祭当日の
美術館の早朝オープンですが、5月も8日と26日
の両日は、8時45分から開館いたします。


ミュージアム カフェ


こんにちは。
ただいまゴールデンウィーク真っ盛り。
お天気も回復し 皆様思い思いに休日を過ごされていらっしゃるでしょうか。

早いものでヤオコー川越美術館は オープンからもうすぐ2ヶ月が
経とうとしています。
たくさんのお客様のご来館に感謝しております。

今日はラウンジにある ミュージアム カフェのご案内をいたします。

お出ししているコーヒーは土壌作りからこだわった有機栽培のブレンドです。
深煎りでありながら酸味も感じます。
アイスコーヒーも同じく有機栽培のグァテマラを使用。
心をこめてお出ししています。是非 味わってみてくださいね。

使用しているカップ&ソーサーは
シンプルでモダン なめらかな曲線も美しいものです。

カフェだけのご来館も歓迎しております。
入館料はいただきません。

ラウンジに展示してある大作 <爛熳>を眺めつつ
窓の外の水の流れや ドアがあくたびに聞こえる鳥のさえずりに
耳を傾けながらゆったりとお過ごし下さい。

スタッフ一同 お待ちしております。

                        by わたなべ